三大推論

2025/07/27

データ

仮説と推論

私達は学問、仕事、日常生活といったあらゆる場面で仮説と検証を繰り返している。

そして仮説を立てるための推論手法は、演繹法(ディダクション)、帰納法(インダクション)、仮説形成推論(アブダクション)の三つに大別される。

演繹法(ディダクション)

演繹法は、一般的な原理や法則から個別の結論を導く推論法である。数学の証明や論理学で多く使われる。

例:

「すべての人間は死ぬ」という法則があるとき、「アリストテレスは人間である」という事実から、「アリストテレスは死ぬ」という結論が導かれる。

特徴:

  • 前提が正しければ、結論も必ず正しい。
  • 論理的だが、新しい知見を生むのには向かない。
  • 帰納法(インダクション)

    帰納法は、個別の事例や観察結果から法則を導く推論法である。科学的な法則や経験則の形成に使われる。

    例:

    「アリストテレスは死んだ」「ソクラテスは死んだ」「ナポレオンは死んだ」という複数の事実を観察し、「人間は死ぬ」という法則を得る。

    特徴:

  • 限られた事例から法則を導くため、完全な確実性はない。
  • 科学や統計学において仮説を構築する際に有効。
  • 仮説形成推論(アブダクション)

    アブダクションは、観察された結果から最も妥当と思われる原因を推定する推論法である。「なぜこの結果が生じたのか?」という問いに答えるために使われる。

    例:

    「雨が降ると芝生が濡れる」という法則と、「庭の芝生が濡れている」という事実から、「雨が降った(今は降っていない)」という原因を推定する。

    特徴:

  • 最も合理的な説明を見つけるための推論だが、必ずしも正しいとは限らない。
  • 探偵の推理や診断、問題解決などに用いられる。
  • 三つの推論法

    以下に、上記三つの推論法を簡潔に表現した図を示す。

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    参考文献


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    ゆうき

    2018/04からITエンジニアとして活動、2021/11から独立。主な使用言語はPython, TypeScript, SAS, etc.