習慣化の技術
一夜にして得られるものはほとんどなく、何かを達成しようと思ったら継続する必要がある。何かを継続する最も簡単な方法は、非力な意志の力に頼るのではなく、日常生活の一部に組み込んで習慣化してしまうことである。
習慣化において重要なのは、理想に到達することそれ自体ではなく、「少しずつでも自分が決めた方向に向かって進んでいる」という実感である。習慣化3原則に従うことで、継続したい行動を日常生活の一部分として無理なく実行できるようになり、「少しずつでも自分が決めた方向に向かって進んでいる」という実感を得ることができる。
目標を低くする行動トリガーと報酬/罰則を設計する例外を設けない目標を低くする
挫折する可能性のあるような高い目標を掲げるのではなく、「これなら絶対できる」と確信できるほど低い目標を設定する。高すぎる目標を掲げると、達成できなかったときに自身を損なうが、最初から小さな目標にしておけば、「今日もできた」という達成感を積み重ねやすい。次のように5分以内にできることを目標にすると続けやすくなる。
毎日1時間勉強する → 毎日一文だけ英語日記を書く毎日1時間読書する → 毎日1ページ読むジムで1時間運動する → 家で5分筋トレする
20秒ルール:良い習慣は始めるまでの手間を20秒減らし、悪い習慣は20秒増やすことで、行動のハードルを操作する。2分ルール:最初は2分で終わる超小規模タスクにまで行動を分解し、それを習慣化してから拡大する。環境デザイン:きっかけを作り、誘惑を排除するよう環境を設計し、意思力を節約して行動を自動化する。一度に一つの習慣:複数同時より一つの習慣に集中する方が成功率が高い。リソース分散を防ぎ挫折を減らす。行動トリガーと報酬/罰則を設計する
明確な行動トリガーと達成できたときの報酬/罰則を設計する。「夜に実施する」では、散々後回しにした結果、忘れていて結局できなかったということになりかねないし、報酬/罰則がなければ、モチベーションも上がりにくい。ただし、ダイエットしているときに報酬がご飯おかわりOKとかだと逆効果なので、報酬や罰則は最終的に達成したいことを阻害しないように設定する。また、忘れないようにトリガーに合わせてタイマーを設定したり、目につくところに思い出せるように張り紙をしておくのもよい。
朝に勉強する → 朝食前に勉強する/報酬:勉強後に15分ゲームして良い朝に読書する → 通勤中に読書する/罰則:家事を10分追加する夜に運動する → 入浴前に運動する/報酬:30日続いたら好きな映画を見る
If-thenプランニング:「もし〇〇なら△△する」と事前に決める実行計画法。行動のトリガーを明確化し、実行率を高める。パブリック・コミットメント:周囲に目標を公表し定期報告まで行うことで、社会的プレッシャーを利用する。ハビットスタッキング:既存の習慣の後に新習慣をセットで実行する。トリガーが明確になり忘れにくい。見える化・記録:カレンダー等で毎日の継続を記録・可視化する。連続記録が途切れないようにすることで継続動機付け。誘惑バンドル:楽しみ(誘惑)と義務的習慣を同時に行い、嫌な行動にも快を紐づけ長続きさせる。仲間やコミュニティの活用:仲間と目標共有し互いに励まし合う。協働や競争心で継続率を上げる。アイデンティティの活用:理想の自分像と習慣を結びつけ、「○○な人間だからやる」と自己認識を変える。キーストーン・ハビット:他の良い習慣を誘発する中核習慣をまず身につける。一つ成功すれば連鎖的に波及。例外を設けない
急な予定の変更などでどうしても目標を達成できない日も存在する。だが、「今日は体調が悪いのでできない」、「今日は飲み会なのでできない」といった例外が積み重なると習慣は簡単に途切れてしまう。そこで、そんな日でもできるような代替案を用意しておき、完全に空白の日をなくすことが重要である。
毎日一文だけ英語日記を書く → 代替:英語を一文読む毎日1ページ読む → 代替:最初の一文だけ読む家で5分筋トレする → 代替:腕立て伏せを10回だけする
マジックナンバー4:新習慣は週4回以上の頻度で行うと挫折しにくいという法則。まず「4日続ける」ことを目標にする。二日ルール:「2日連続で休まない」を守ることで、多少のサボりがあってもリズムを維持する自己ルール。◯日間ルール:まず◯日間続けると決めて取り組む。21日・30日・66日など目安の日数まで継続し定着を図る。〇〇しない習慣
「〇〇しない」という目標は「〇〇する」という目標に置き換えるだけで習慣化3原則がそのまま利用できる。例えば、次のように目標を置き換えればよい。
お菓子を食べない → 果物やナッツを食べる禁酒 → 無糖炭酸水を飲む禁煙 → ガムを噛む参考資料